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こんにちわ♪

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果てしない平原




“朝、目覚めるとまず心に浮かぶのは、この地こそ自分の居るべき場所なのだ、という喜びである。”
ディネーセン『アフリカの日々』


アフリカの日々 ( 著者: アイザック・ディネーセン / 横山貞子 | 出版社: 晶文社 )




マサイ



俺の家から、セレンゲティまで約100km。

バイクや車で飛ばせば、2時間弱で到着する。

ほんとにごく稀だけど。

こんなところから、俺らのお客さんが来たりする。

マサイだ。

彼らは、歩いてやってくる。

どこから来たのか?

と尋ねると、『あっちだ』と答える。

俺らはとてもじゃないけど、歩いていけない。

俺が任期終了間際に。

ユニセフのプロジェクトで、こうしたマサイやその他の部族のウシに人工授精をするというのが行われていた。
結局俺はそのプロジェクト半ばにして、帰国しちゃったけど。

あとは診療所の連中がやってくれたみたい。

でも、マサイが住んでいるとこに行くのは大変だ。

だって年中動いているし。

上の写真は、そんなマサイの放牧風景。

放牧というよりは遊牧だ。

俺には彼らの目指す場所が結局わからなかったけど。

彼らはいつも知っているんだ。





かの有名なセレンゲティ平原。

世界遺産にも指定されたこの平原は、マサイの言葉で『果てしない草原』を意味するらしい。



そんなセレンゲティ。
俺の家から、約100キロ。

バイクで飛ばせば、約2時間弱で着いてしまう。


セレンゲティは、別に柵で囲まれたりしているわけじゃない。

だから明確にここからセレンゲティですよって言うわけじゃないけど。

それでもちゃんとゲートはある。


ここには、けっこうよく行った。
あるときは、お仕事で。
またあるときは、観光で。
またある時は、診療所の客のマサイの家へ行ったりもした。


この写真は、そんなセレンゲティを旅行で行った時のもの。
hagurezou


本当は、もっと大きな写真でお見せしたいんだけれども。


通常、ゾウは群れで行動している。

はぐれゾウは、大抵若い反抗心旺盛なゾウや、年老いて死が近いゾウかどちらかがなる。

この写真のは、若いゾウ。

大きさも半端じゃない。

動物園なんかで見るよりも大迫力。

普通はぐれゾウは、けっこう凶暴だって聞いていた。

ところが、このゾウは、なんか寂しそうな目をしていた。

俺らを見ると、ふっとうしろ姿を見せて草原を歩いていってしまった。

その時のスナップ。

このゾウは、何ではぐれたんだろう?

それともはぐれたくはなかったのか?

みんなのところに帰りたかったのか?

哀愁漂ううしろ姿でした。




※:ちなみに、象の墓場というお話がよくあります。でもそんなものは実際に存在しません。象の墓場のお話は、象牙に狂った、しいて言えばお金に魂を奪われた愚かな人間が作ったお話です。象は死んだらサバンナの土と還ります。それだけです。






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